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タナトスに似た欲動

またこういったことをせんとす

ある漫画の登場人物:自分は胃がんだと思い込む男の話

数日前から、胸が痛い。

数週間前から、呼吸が細い。

数カ月前から、身体がだるい。

数年前から、心が暗い。

このまま死ぬのだろうか。昔から恐れ続けてきた死が、もうすぐそこまで来ているような気がする。

身体のどこかは、もうすでに手遅れなほどに蝕まれていて、医者に見せればその日のうちにあとどれだけ生きることできるかがわかるのだ。

そんな妄想ばかりを繰り返して今日も何もしないまま過ぎていく。

生は苦悩で、音楽だけがそれを忘れさせる。

街中が寝静まった後、音楽を聴きながらあてもなく歩きまわる時間が好きだ。その時間だけが愛おしくて、その時間がなくなってしまうのが怖くて、死にたくない。

意識が内へ内へと侵食していく。

身体中の神経が鋭くなっていく。

身体が昨日と同じでないと不安になる。

「まただ……昨日までは感じなかった違和感がある。」

「いや、そんなはずはない。昨日、少し働きすぎたんだ。少し休めばきっと良くなる。」

「それにしてもおかしい。胸の痛みまで出てきた。きっと心臓になにか良くないことが起きているんだ。」

「心臓じゃない。ただの肋骨神経痛だよ。」

でも、もしかしたら……。

自分の意識があまりにも死に向かい過ぎている。恐れていた死をいつしか望むようになる。

「いつくるかわからないものにいつまでも怯えているなら、いっそのこと……。」

はっとする。

そんなこと考えていたのか?

いやいや、ありえない。そんなこと……。

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もういちど自分らしさに出会うための10日間 自尊感情をとりもどすためのプログラム

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