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タナトスに似た欲動

またこういったことをせんとす

女は一日に二度死ぬ

朝、女は女に非ず。少女たちは時間をかけて女になっていく。

毎朝、思春期の坂道を駆け下っていく。思い思いの男の顔を思い浮かべ、くっと真一文字に引かれた紅の上を、しっかりとした足どりで、しかしどこか儚く、歩いていくのだ。

今日出会うすべての人に色目を使い、今夜の寝床を夢想しながら、女はラングドシャほどの薄っぺらい思想を駆け巡らせるのだ。

死に体に無理矢理色をつけ、少女は女になる。

白装束を脱ぎ、絹よりも滑らかで、初雪よりも澄んだ白い肌を、女は派手な着物で隠してしまう。

しかし、彼女たちは気づいているのだ。それがどんなに貴いものであるか。いつか、薄暗い間接照明の中で、その派手な着物を捲る血管の浮いたゴツゴツとして、精力に満ちた手の持ち主に見せてやるのだ。それまで大切に、買ったばかりのブランド品を扱うように、やさしく、壊れないように誰にも見せてやらないのだ。

そして女は少しだけ顎をあげて、長い髪を踊らせて、カツカツカツカツ街を歩く。

今夜の寝床を探すために。



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