読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

タナトスに似た欲動

またこういったことをせんとす

ガールズ&パンツァー劇場版が最高でした。

この記事は、まだガールズ&パンツァーを観たことない人にむけて、ガルパン楽しいよってことを伝えたくて書きました。思うままに書いてしまったので読みづらくなってしまいましたが、少しでもガルパンに興味を持ってもらえたら嬉しいです。

f:id:fe121:20151218203048j:plain

今思い返せば、ちょうど劇場版が公開されたばかりだったので、ネット上にも色々な感想がアップされ、その中のひとつをたまたま観たのがきっかけでした。

こんな感想がたくさんあって、ただの美少女アニメだと思っていた僕は少しだけ興味を持ったのでした。

すみません、いきなり少し話逸れます

f:id:fe121:20151218204056p:plain

今年は様々なメディア配信サービスの元年だったなぁと感じました。

もちろんこれまでもサービス自体は存在していましたが、今までとは明らかに違う、使い始めた瞬間に「おっ」と手触りの良さを感じるサービスが次々と現れたように感じます。

音楽ではApple MusicやLINE MUSICが、動画ではNetflixやAmazonプライムビデオが、そしてこれは個人的なタイミングという部分が非常に大きいのですが、つい先日購入したkindle paperwhiteも、タブレットで本を読むという概念を大きく変えてくれるものでした。

特に動画配信サービスに関しては、Netflixの功績は非常に大きかったと思います。

サービス開始前から日本国内のメーカーと話をつけて各社のリモコンに「Netflixボタン」を標準装備させるなどの戦略も素晴らしいですし、なによりも「ネット配信は画質が悪いもの」という概念を壊した功績はものすごく大きいと思います。

(そもそも、家庭用ゲーム機や最近のスマートテレビについているYoutubeのアプリを使って「家のテレビでYoutubeを見る」という体験をしていない人もまだまだ多いでしょうね。HD画質で配信されている動画に関しては非常にキレイな映像で再生されるので、MVなどをプレイリストにつっこんで再生させておくだけでかなり楽しめますし。)

話が脱線しすぎました。ガルパンの話に戻します。

最初の数分で「これは普通のアニメじゃないぞ」と

ガルーズ&パンツァーに関しては、AmazonプライムビデオでTVシリーズが配信されており、何の気なしにとりあえず第1話をみたのでした。

これ、実際にみてもらうとわかると思うんですけど、最初の数分で「おや?これは普通のアニメじゃないぞ」という心にポッと火がつく瞬間があるんです。

具体的には、一人称視点が取り入れられているという点と、戦車が3DCGで描かれているというところです。

一人称視点に関しては、まずアニメでそういった表現が使われること自体が非常に少ないということで、単純に映像としておもしろいんです。

そして、戦車が3DCGで作られているという点に関しては、個人的に非常に興味深いところでした。

そもそも、アニメメーションにおいて乗り物を描くということは技術的に非常に苦労するらしく、形状を維持したまま、A地点からB地点へ移動しているようにそれらしくみせるというのは、手描きのアニメではとても難しいそうです。

そういった背景から、車などが3DCGで描かれているアニメーション自体はそれほど珍しいものではありません。

しかしながら、一見、美少女アニメ好きのためのアニメにみえるこの『ガールズ&パンツァー』が、なぜ3DCGで戦車を描き、一人称視点という特殊な表現方法を使っているのか?

その小さな疑問が僕の心の中で浮かんだのです。

そして、その疑問は戦車戦のシーンが始まることですぐに解決します。

答えは単純です。

このアニメは、(兵器としてではなくメカとしての)戦車の魅力を、アニメーションを使って表現する、制作陣の命を削った本気(マジ)アニメーションだったからです。

誤解を恐れずに言いますと、ガルパンに出てくる個性豊かな女の子たちは、戦車の面白さを演出するためのツールとも言えるかもしれません。(ガルパンファンに殺されそう)

戦車の描写細かすぎいい!というお話

みなさんは、宮崎駿という人をご存知でしょうか。

駿さんが個人的な嗜好を丸出しにしたマンガを連載している(していた?)雑誌があります。

月刊モデルグラフィックスという雑誌なのですが、そんな駿さんが連載していたマンガをまとめたシリーズが大日本絵画という出版社から出ているのですが、そのシリーズの中に『泥まみれの虎―宮崎駿の妄想ノート』というものがあります。

泥まみれの虎―宮崎駿の妄想ノート

泥まみれの虎―宮崎駿の妄想ノート

これはまさに戦車乗りの話でして、史実をベースに駿さんの妄想も交えながら、一人の戦車乗りの半生を描いています。

このマンガを読むとよく分かるのですが、戦車好きの人たちは見ているところが本当に細かいんです。

そして、戦車を大衆に向けに描くということはとっても大変で覚悟のいる仕事だということがわかります。僕なら絶対にやりませんけど、もしやることになれば宮﨑駿を納得させてやる!という気概をもってやると思いますし、ガルパンからもそういった気概を感じるのです。

一部の人にしかわからない、本物か否かというラインが存在する

駿さんが映画を作っている様子をひたすら丁寧に追い続けるドキュメンタリーがあります。僕はこのドキュメンタリーをみて「このおっさん頭おかしい……」と(もちろん敬意をもって)確信しました。

しかしその一方で、ここまで自分の命を削って、アニメーション映画を作っているのかと感動しました。(ドキュメンタリーをみたことがある人はよくわかると思うのですが、本当に命を削る音が聞こえてくるような仕事の仕方をするんですよね……。)

「もののけ姫」はこうして生まれた。 [DVD]

「もののけ姫」はこうして生まれた。 [DVD]

そんな駿さんですが、天才ゆえに一般人が理解できないことを時々おっしゃいます。

たとえば、ドキュメンタリーで原画担当者の描いた鳥を「こんなんじゃ飛ばないよ」と一蹴する場面があります。

氏いわく、飛ぶための説得力がないと。

素人の僕なんかは、飛んでいる鳥の絵というのはある種記号化されているため、「飛ぶための説得力がない」というのがよくわかりませんでした。

しかしながら、いざ駿さんが手直しをすると確かに違うのです。見比べてやっとわかるほどの違いですが、たしかに説得力が違うのです。

つまりその道に精通した人々にしかわからない本物か否か、というラインが確かに存在するようです。

そして、ガルパンがなぜ戦車を3DCGで描いたのか?ということの必然性が見えてきます。

詳しい人から見れば形やパーツ、質感や色、部品の数、どれかひとつでも違えばそこに違和感を感じてしまうということです。

ガルパンの制作陣の方々はこの辺りを本当によく抑えていて、戦車という特殊ジャンルをただただヒット狙いで掛けあわせたわけではないという本気度が伺えるわけです。

【謝罪】TVシリーズを大変失礼な見方をしました

AmazonプライムビデオでTVシリーズを観たのですが、戦車戦以外のシーンほとんど飛ばしました。

これに関しては、本当に申し訳ありません。(劇場版を見終わったいま、もう一度第1話からきちんと見なおしています。)

どうしてもこの手のアニメにまだ慣れないということと、やっぱりストーリーに関してはそれほど重要そうじゃないなと途中で感じてしまったからです。

それでも映画を見に行くくらいはまってしまったので、やっぱり戦車戦のシーンは本当にすごいと思います。

ストーリー自体はスター・ウォーズ以上に単純なので要所要所を抑えておけばちゃんとお話についていけました。

ちなみに、劇場版をみるにあたって、同じくAmazonビデオで配信されていたOVAも観ましたが、こちらは全編ちゃんと観ましたし、これをちゃんと見てから映画は観たほうがいいですね。アンチョビちゃんかわいいし。

で、やっと映画の感想(ネタバレなし)

前置きが長くなってしまいましたが、結論からいうと映画館で観れて本当によかったです。

ちょうどスター・ウォーズの公開前日で、次の日からスクリーンが小さくなってしまうことがわかっていたので、その前に行ってきました。

正直仕事も忙しくて、わざわざ映画館に観に行くのもなぁとは思っていたのですが、ネット上に溢れる「絶対に映画館で観たほうがいい。初見が円盤というのはもったいなさすぎる!」という意見についに根負けして観に行ったのですが本当にその通りでした。

ストーリーについて

ストーリーについては賛否両論のようですが、僕は正直何回か泣きそうになりました。(どの口がいうかって感じですが……。)

本当に特に真新しさのないストーリーなんですけど、音楽や声優さんの演技力が素晴らしいのか、結構ぐっとくるシーンがありました。

もともと大迫力の戦車戦が見たい!という思いが強かったということもあって、ストーリーに関してはまったく不満はありませんでした。

戦車戦について

f:id:fe121:20151218184327j:plain【合成写真】「(フリー素材)黒森峰女学院・重戦車ティーガーⅡ追加分」漫画/豚雲海 [pixiv]

この映画の3分の2は戦車が一生懸命走って、ドリフトして、実弾が飛び交ってます。そして、それがこの映画の最大の魅力であり、そこがとにかく最高なんです。

迫力のある音や動きといった映像的な気持ちよさがこの映画が絶賛される所以だと思うので、なかなか言葉にするのは難しいのですが、戦車のエンジン音や、砲撃時の爆裂音、砲弾が装甲をかすめる時の音などなど……とにかく「気持ちいいいい!!」という瞬間が絶え間なく続くため、だんだん麻薬的な気持ちよさが全身を包み込んでいきます。この辺りが、マッド・マックスと並べて絶賛されている部分なのではないでしょうか。

あと、600ミリのアレがアレするシーンは本当にすごかったです。

身体がビクゥゥッってした後、そのあまりの迫力に吹き出しちゃいました。

とはいえ、この楽しさは実際の映像で、さらには映画館の大きなスクリーンと音響システムがあってこそなので、ぜひとも映画館で観て欲しいです。

演出について

演出についてもひとつ。

基本的にこの「戦車道」と呼ばれる日本の伝統的な武道では死者どころか、怪我人すら出ません。

それはなぜかというと、戦車内が特殊なカーボンで保護されているため中にいる人々をどんな衝撃からも守ってくれるからです!

戦車内が特殊なカーボンで保護されているため中にいる人々をどんな衝撃からも守ってくれるからです!(威圧)

大事なことなどで2度言いました。

しかしながら、この映画では「え、もしかしてこの子ここで死んじゃうの?」と思ってしまうシーンがあります。

前述のカーボンの件は、映画の冒頭でも明確にされておりそんなはずはないとわかっていても、です。

正直、もう一度ちゃんと観てからここの部分は語りたいんですけど、ここの演出はすごいなと思いました。

まず、音楽。

音楽が完全に殺しにかかっているんですよ。これまで様々なドラマや映画で見てきた「ああここでこの人死んじゃうんだ…...」というシーンで使われてきたであろうトーンの音楽がさもありなんといった感じで堂々と流れてるんですよ。

そして、辞世の句ともとれるセリフ。

カーボンの件があるから完全に意図的なんだけど、笑うどころか思わず泣きそうになるの。

演出vsカーボンの構図で、観客の脳を完全に混乱させにきてて、その時のなんとも言えない気持ちが僕はとても心地よかったです。笑

でも、自分たちでカーボンという素晴らしい発明を導入しておきながら、あの演出を堂々とやってて、しかもそれが全然滑ってないってセンスありすぎですよ……。

つまりこれがいいたい

『劇場版 ガールズ&パンツァー』ですが、

絶対に映画館で観たほうがいい。初見が円盤というのはもったいなさすぎる!

ということです。

迫力のある映像と、命を削って作られる本気(マジ)アニメーションが好きな方は、あまり食わず嫌いせずぜひ観て欲しいですね。

オススメは、TVシリーズをストーリー部分を流し見で見て、OVAを見てから劇場版です。

Amazonビデオの宣伝みたいになりますけど、プライムに入ってる人はそれほど心理的負担なくサクッとみれちゃうのでぜひ。

▼ 劇場版 Blu-ray 出ました!